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奄美の集落:与路島 - 4:ハブ棒
(瀬戸内、奄美群島、鹿児島、日本)

奄美大島出身の友人によると、子供の頃、遠足に行くと、先生が、ハブ除けのためのハブ棒を持って、先導したそうです。昔は、ハブ棒は、奄美の集落なら、道際に置かれており、ハブが現れると、それで追い払ったものですが、今は、その風景もほとんど消えてしまいました。

けっしてハブがいなくなった訳ではなく、隙間が多く、ハブの棲み家となったサンゴ石の石垣が消え、ブロック塀に変わったことが、大きく影響しているというのが通説です。ハブが生息しにくい環境のせいで、町中でハブに遭遇する機会は減り、それとともにハブ棒を見ることもなくなりました。

そのハブ棒が、集落のそこかしこに立て掛けてあるのが、この与路島。サンゴ石の石垣が今も残る居心地のいい風景は、ハブにとっても居心地のいい環境であり、集落の中に、ハブが現れる可能性も高いのです。だから、ハブ棒は、与路島にとって、今も必要不可欠な道具。そして、ハブのいる環境に不慣れな旅行者には、与路島を与路島たらしめている重要な景観要素と分かりながら、同時に、もしかしたら、その辺りにハブがいるかもしれないという、微妙な不安感をかき立てる仕掛けとなっていました。与路島に嫁いで以来数十年になる宿のお母さんに言わせると、嫁いで以来、一度もハブを見たことがない、とのことでしたので、必要以上に怯えることはないのかもしれません。

ハブ棒は、特に樹種は問わず、伐採された枝から脇枝をきれいに払ったもので、まっすぐに近いとは言え、それぞれの枝の微妙な反り具合、曲り具合を活かしています。間違っても、鉄棒やプラスチック製のものはありません。片側、多分、持ち手側の端部を赤く塗り、直径3〜4センチ、長さは130センチから190センチになります。その長さが、この島での人とハブが共存するための距離感なのです。

余談ですが、ハブ棒が何度も繰り返し目に入った学習効果か、与路島から東京に戻って以来、叢を見ると、東日本にいるはずもないハブがいる不安感に襲われ、しばらく近づけませんでした。

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交通
名瀬中心街にある「しまバス本社前」から古仁屋行きバスで70分(1日10本程度)、古仁屋海の駅で下車。
古仁屋海の駅に接する古仁屋港から船で50-100分(1日1-2本)、与路港下車。

リンク
のんびり奄美

瀬戸内町観光サイト

宿泊施設のリスト
与路島の宿泊施設

参考文献
Wikipedia

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与路島 ハブ棒

Photo by Daigo Ishii