雪の青森(青森、青森、日本)

市町村合併の嵐が起きる前の話ですが、人口5万人規模の町として世界でもっとも雪が降るのは新潟県十日町市、10万人規模としては新潟県高田(上越市)、30万人規模としては青森県青森市だそうです。ちなみに、青森市の年間の最大降雪量は1263cm(昭和60年)、最大積雪量は209cm(昭和20年)です。

高田と十日町で仕事をしましたから、土地の人にとって、豪雪がどれほど大変か理解していますし、それは青森も同じでしょう。青森市のサイトを覗いても、世界一の雪を誇りたいが、問題を抱える雪をプッシュアップしていいか、迷っている様が窺えます。

それでも、雪の降らない地方に住んでいると、豪雪は、ある種の冬の魅力です。ただし、それを観光資源として活かすのが難しいのは、年により雪の量に差があり、予想できないことと、豪雪の年でも、時期が直前まで的を絞れないこと。サクラ以上に、合わせるのが難しい気候の気紛れなのです。

たまたま訪れた年、2月半ばの青森は、とてつもない雪の中にありました。縁があったのでしょうか。同じ県内の八戸にはほとんど雪が残っていなかったのに、新幹線で2駅動き、八甲田山系をトンネルでくぐると、風景は激変しました。

新潟では、山間部でさえ、居住地につながる道路の雪は、夜を徹して除雪され、アスファルトが現れます。それが除雪の日本標準と思っていましたが、青森の道を車で走って分かったのは、県庁所在地の青森市内でさえ、駅前通りと、それに並行する国道以外は、路面が白いままということ。除雪概念の違いなのか、財政状況の違いなのか。とにかく、スノータイヤを付けても、すべるし、たまに空回りするし、流れていても、時速20キロでしか進みません。津軽平野に出れば、そこに地吹雪が加わり、時速はさらに落ちます。

町中では、車道と歩道の間には、高いところで3m近くのそそり立つ雪の壁ができ上がり、除雪をあきらめた歩道は、車道より1m近く高いところもあります。青森よりは少しはましなものの、同じく雪の深い弘前では、駅の観光案内所が観光客に雪用の長靴を貸し出していました。それぐらいの装備が必要な雪なのです。

そんな吹雪くし、雪は深いし、気温も低い青森の町なのに、Tシャツ1枚に、ジーンズのジャケット、靴はスニーカーといった類の、初夏の格好かと紛う若い人が、結構行き交っています。どういうこと?。青森市民は、新陳代謝が活発なのでしょうか。

あっと言う間の出来事だったので、写真を取り損ねましたが、この日のベストショットになるはずだったのが、屋根に1m以上雪を載せて走っていたミニクーパー。これを無精と見るか、粋と見るか、意見が分かれるところですが、はたからは飛んでもなく見える雪さえも、無精の対象にしてしまう何気なさに、軍配。

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青森の雪(青森市役所)

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青森の雪(青森市役所)

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青森の雪の風景

Photo by Daigo Ishii