南西部の建築探訪 66ダイナー
(アルバカーキ、アリゾナ、アメリカ合衆国)

66ダイナーに入った瞬間、頭の中に鳴り響くのは、ジョージ・ルーカスの監督した「アメリカン・グラフィテイ」のサウンドトラック。というか、正確には、テーマ曲の扱いだった「Rock Around The Clock」。将来、売れっ子映画監督になるとは、到底思えなかった優等生役のロン・ハワードと、10代の役にして、すでに身体のラインが中年崩れしていたリチャード・ドレイファスが、今にも現れそうな雰囲気です。大体、注文を取りに来たお兄さん、リチャード・ドレイファスでした。

50年代の建築だから、どういう呼び方をするのか分かりませんが、個人的には、20年代に流行したアール・デコを思い出しました。そんなカテゴリーはありませんし、簡略化された感はありますが、勝手に、アール・デコ・リバイバルと命名。

昼間は、見てないのに何ですが、これは、夕方、ネオンサインの点いた頃に行くのがお薦めです。アール・デコを彩ったデザインの一つが客船ですが、ネオンが付くと、まさしく、停泊している客船のようで、線状に伸びたネオンが何重にも走って、スピード感を演出します。流線型の外観や丸窓に、ネオンライトを間接照明にしたボールト状の天井や、角を丸くした入口も、船のイメージです。

で、その夜に映える外観から、何となく、夜通し開いていて、地元の若者が、朝までたむろしているイメージだったのですが、実際には、午後10時閉店で、その上、メニューには、アルコール飲料なし。そのせいか、家族連れも多くて、荒れた若者が集まりそうな場所では、まったくないのです。

思い返せば、「アメリカン・グラフィティ」の登場人物も、悪ぶっているものの、引き返せないほどではなく、高校卒業と同時に、遊びから卒業して、意外と、地味な地元企業に就職しそうだったから、あの時代のワルとは、今から見れば、健全だったのかもしれません。アメリカの病巣ばかり伝えるニュースで、ネガティブな妄想をふくらませていました。

コンセプトは、「健全な不良」で行きましょうか。

そんなことを考えていたら、料理が出てきました。量も多すぎ、油も使いすぎだし、野菜は生野菜のみ。やっぱり健全でないかもしれない・・・。

66ダイナーがあるのは、その名の通り、歌や小説に登場した昔なつかしいルート66の街道沿いです。シカゴからロサンジェルスに至る数千キロの街道は、高速道路に変わりましたが、幹線道路の役目を終えた今も、郷愁の風景を追って、旅人がツーリングしています。66ダイナーも、ルート66を彩るランドマークの一つとして、多くの巡礼者が立ち寄る場所です。

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交通
アルバカーキのダウンタウンから車で10分。

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66 Diner

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旅行の際に調べた情報であり、評価については、各人でご確認下さい。

参考文献

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66ダイナー

        Photo by Daigo Ishii