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築200年の民家の増築部分。

敷地には、母屋、納屋などがあり、その間に落し込むように、増築部分を配置。内部は、水回り、家族の個室、夫人のアトリエ、収納から成っています。

周りは、農村の雰囲気を残し、母屋も風格を維持しています。 場所に配慮し、風景に違和感なく溶け込みながら、よく見ると少しだけ違って見えるようにつくりました。外観の鋼板葺きは、周辺で見掛ける素材、工法ですが、壁から屋根まで、全面を同じ素材でくるみ込むことで、「どこか違う」感じをつくりました 。

築200年の母屋のインテリアは白い壁と、黒い柱、梁、床から成っており、その母屋の構成を、増築部分に厳密に適用。柱と床は「黒」、壁と天井は「白」に仕上げましが、白黒とも、全艶で仕上げたため、母屋と連続感を維持しながら、「どこか違う」空気が漂います。

伝統的間仕切(欄間、障子)を、新しい形で空間の中に取り入れてます。欄間は、ガラス、鏡などさまざまで、障子は、半透明ポリカ板を両面に貼っています。

全艶の床・天井・壁、ガラスや鏡の欄間に、風景が映り込みます。映り込んだ虚像は、実像と重なり合い、それが、また映り込み、天井や壁に、複雑な陰影のグラデーションが現れます。 日差しがくっきりとした日、天井には、虚像・再虚像・反射光が複雑に混ざり、雲が漂うようなもやもやとした陰影が現れます。室内にいながら外にいるような状態もまた、「どこか違う」感覚を呼び寄せます。

 

所在地 東京都あきる野市

延床面積 96.9m2(29.3坪)

構造設計 大賀建築構造設計事務所

設備設計 明野設備研究所

施工 本間建設

 

掲載誌、書籍
2006.10. Interni & Decor (Mincom, 韓国)
2008.10. 1000 Interiors (遼寧科学技術出版、中国)
2012.06. Global Architecture Today (天津大学出版社、中国)
2012.12. House & Houseing 101 (designzens、中国)

ウェブマガジン
2010.06. Architecture News Plus

庭から見る夕景。左側が築200年の母屋、右が納屋。2階では、ポリカーボネート板の障子が、柔らかく光る。 撮影:鳥村鋼一。

昼景。2階建てだが、母屋の棟の高さより高くならないように配慮している。撮影:鳥村鋼一。

このあたりの屋根でよく使われている鋼板を、屋根および壁に使い、微妙な違いをつくり出している。撮影:鳥村鋼一。

1階アトリエと書斎。築200年の母屋同様、白と黒で仕上げたが、表面の艶で、母屋とどこか微妙に違う空気をつくる。撮影:鳥村鋼一。

1階アトリエと書斎。上部は、欄間となっており、隣の空間と天井がつながって行く。撮影:鳥村鋼一。

床や壁の全艶塗装で反射された光が、天井に映り、雲のような陰影が現れる。室内だが、外にいるような不思議な感じを覚える。撮影:鳥村鋼一。

(左)廊下からアトリエと階段を見る。階段は、欄間を横切って上昇する。(右)廊下も、光や風景が、仕上げの表面に映り込む。撮影:鳥村鋼一。

階段を見る。1階から2階へ上がる途中に、欄間の間を横切り、一瞬、1階のアトリエの風景が、視界に現れる。撮影:鳥村鋼一。

1階洗面所と浴室。上部が欄間で、天井が隣の空間に続き、さまざまな方向から光が入るので、実際より広々と感じられる。撮影:鳥村鋼一。

2階サンルーム。庭に向いて開く。洗面台と鏡を設え、窓の外には、布団を干すための手摺が回る。撮影:(右)鳥村鋼一。

2階の個室。サンルームとの間には、中空のツインポリカーボネート板の障子が入り、両面貼りのため、断熱効果も大きくなる。撮影:鳥村鋼一。

2階の個室と階段の様子。個室は、板床と畳床の2室から成る。個室の奥は、ウォーク院クローゼットとなっている。撮影:鳥村鋼一。

2階の和室の個室の様子。奥が収納置場になっている。左の窓からは、築200年の母屋の棟を見ることができる。撮影:鳥村鋼一。

欄間の様子。ガラスや鏡でつくられたモダンな欄間であり、隣の空間と天井がつながることにより、空間がより広々と感じられる。